ボトックスに使用されるボツリヌストキシンは安全か
美容施術で使用されているボトックスは、ボツリヌストキシンという毒素が元となっています。ボツリヌストキシンは、1gで数百万から一千万以上の人の命を奪えるほど強力な毒です。そのためボトックスの安全性が気になる人もいるでしょう。
そこで、ボトックスが実際に安全なのかどうか、どういった仕組みなのかを解説していきます。
致死量よりもはるかに少ない
ボツリヌストキシンは、一定量が人体に入ると、命を落としかねないほど危険な毒素です。そして、美容施術で使用されているボトックスには、A型のボツリヌストキシンがそのまま入っています。
しかし、そのボツリヌストキシンは精製されている上に、使用される量は、致死量の数千分の1と非常に少ないです。したがって、少量の使用で命の危険はなく、致死量になるまで投与することもありません。ボツリヌストキシンは筋肉を麻痺させたり、神経伝達物質を阻害したりすることで人を死に至らしめますが、少量だとその影響もそこまで大きくないです。
その性質を活用して、身体の一部の機能を阻害することで、シワや汗の量を減らせるわけです。
菌が入っていないので増えない
ボツリヌストキシンが人の命を奪うのは、元となるボツリヌス菌が体内に入ったパターンが多いです。ボツリヌス菌が体内で増殖しながら大量のボツリヌストキシンを生み出していくので、命の危険があります。
けれど、ボトックスで使用されるのはボツリヌス菌ではなく、そこから抽出したボツリヌストキシンという成分のみです。ボツリヌストキシン自体は菌ではないので体内で増えることがなく、安全な量のまま後は身体に吸収されていきます。
したがって、命の問題に発展することはまずありません。
基本的には安全な施術
ボツリヌストキシンは、様々な施術に活用されています。確かにとても危険な毒素ですが、それを使用するボトックスはちゃんと量を計算して作られている上に、資格を持った医師がちゃんとコントロールして投与するので、問題はありません。特に有名なメーカー品だと、しっかり作られているはずなので、命のリスクはほとんどないと考えて良いでしょう。